スタージョイナス、新規顧客の増加とCVR6倍を一気に実現
秘訣は2サービス一括導入

シップス

TSIホールディングスグループでスニーカーブティック「UNDEFEATED(アンディフィーテッド)」やセレクトショップ「FIGURE(フィギュア)」、ライフスタイルブランド「IN THE HOUSE(イン・ザ・ハウス)」を展開するスタージョイナスは、成熟化が進むファッション業界の中で、成長を続ける注目企業だ。大手企業がリアル店舗を縮小する中、出店攻勢を続けており、昨年11月にリニューアルオープンした「渋谷パルコ」に出店した、カルチャーとファッションを掛け合わせたブランド「BAIT(ベイト)」も話題を集めている。そんなスタージョイナスはEC展開にも注力しており、昨年4月に中核ブランドである「UNDEFEATED」と「FIGURE」のECサイトを刷新した。ブランディングやUI/UX、コンテンツに注力する中、さらなる新規ユーザーの獲得、コンバージョン率(CVR)の改善を図るため、popInの提供する2サービスを導入した。画像認識AIサービス「popIn Action(ポップイン アクション)」を導入したことで、平均値と比較して画像検索経由のCVRは約6倍に拡大。ネイティブアドネットワーク「popIn Discovery(ポップイン ディスカバリー)」から集客したユーザーの新規率は95%を超え、手応えを感じている。さらにこの2サービスを同時に導入することで、「popIn Action」は無料で活用できているという。スタージョイナス 経営企画室 EC運営 マネージャー 林大貴氏とpopIn Eコマースソリューション事業部 部長 吉岡真宏氏に、両社が実践しているECやマーケティングのアップデートについて聞いた。

スタージョイナス 経営企画室 EC運営 マネージャー 林大貴 氏(写真左)とpopIn Eコマースソリューション事業部 部長 吉岡真宏 氏

注目集める4ブランド

――スタージョイナスが展開しているブランドの特徴は?

林4つのブランドを展開しています。最も規模が大きい「UNDEFEATED」は、LA発のスニーカーブティック。米国のブランドのライセンスを取得し、日本で運営しています。リアル店舗を19店、ECは自社ECサイトのみを展開しています。「FIGURE」は、ドメスティックブランドを中心としたセレクトショップ。静岡と札幌に2店舗を展開し、ECは自社ECサイトに加え、「楽天市場」「ZOZOTOWN(ゾゾタウン)」「Yahoo!ショッピング」「Amazon(アマゾン)」に出店しています。

「IN THE HOUSE」は、アパレルを中心としたライフスタイルブランドで、オリジナルとセレクトの両方を取り扱っています。ECは自社ECサイトと「ZOZOTOWN」の2店舗です。「BAIT」は米国のブランドで、昨年11月から日本展開を開始しています。渋谷パルコと大阪に路面店を出店しており、スニーカーとアパレル、フィギュアなどのトイ商材を取り扱っています。ECはリアル店舗に先行して昨年10月に自社ECサイトを開設しました。「ZOZOTOWN」「楽天市場」「Yahoo!ショッピング」にも出店しています。

スタージョイナス 林大貴 氏

――リアル店舗とECのバランスは?

林両方とも注力しています。リアル店舗は昨年だけで7店舗を開設しました。ECも強化しており、「UNDEFEATED」と「FIGURE」の自社ECサイトは2019年4月、リニューアルしました。「UNDEFEATED」はグローバルでのブランド統一のために、デザインを一新。「FIGURE」は外部のスタイリストやライターと協業して、ウェブマガジンを新設しました。「FIGURE」はセレクトショップですので、コモディティ化した商品を多く取り扱っています。商品の魅力をしっかり伝えるために、ウェブマガジンでのコンテンツ配信を強化しています。商品の魅力を伝えるコンテンツは、メーカーとの取り引きにもプラスになります。コンテンツが増えたことで回遊率や滞在率に良い影響がありました。コンテンツマーケティングを強化し、集客に役立てる狙いもあります。

popInとマーケ、CVR改善に着手

――どのようにコンテンツマーケティングを強化しているのですか?

林popInのアドネットワークでコンテンツを生かした集客に取り組み、画像認識AIサービスを導入することで新規ユーザーのコンバージョン率の改善にも取り組んでいます。両方とも成果を出せています。

吉岡吉岡EC向け画像認識AIサービス「popIn Action」とネイティブアドネットワーク「popIn Discovery」をセットで導入していただきました。4サイトに「popIn Action」を導入していただいていますが、その利用料はいただいていません。コンテンツマーケティングの一環として「popIn Discovery」で一定量の広告出稿をお約束していただく代わりに、「popIn Action」は無償で提供しています。2つのサービスを導入していただくことで、お得に導入でき、さらに2つのサービスとも成果につながっています。

林「popIn Action」は昨年11月に導入しました。「UNDEFEATED」「FIGURE」「IN THE HOUSE」へ先に導入し、「BAIT」はサイト開設後すぐに導入しました。当社としてもとても良い形で導入できました。「popIn Action」の話を聞いて、興味は湧きましたが、実際サービスを導入してみないと、どのくらい効果が出るか分かりません。費用対効果が説明できないと新しいツールを導入するための社内稟議も通しにくくなります。今回は既存の広告予算の一部を「popIn Discovery」に振り分けて活用し、「popIn Action」は無料で導入させていただきました。新規獲得が期待できるプロモーションを実施でき、新しいツールも導入できる形でしたので、社内稟議もすんなり通すことができました。

吉岡吉岡ツールだけを導入する場合、新たなマーケティング予算を捻出することになるので、予算の確保が難しいと言われることがあります。スタージョイナスさまにご提案したプランだと、広告出稿料とツール利用料と2つのコストが1つにまとまり、お得にご利用できます。さらに本来、稟議を2つ通さなくてはいけないケースですが、1つの稟議で完結できる点もご担当者さまに喜ばれています。

スタージョイナスさまも提案してから、「やります」と言っていただくまで早かったです。コンテンツマーケティングに力を入れており、サイトのUI/UXも改善したいというニーズがありましたので、タイミングも良かったと思います。「popIn Action」は、先に3サイトへ導入していただき、追加で1サイトに導入しました。追加導入の際も、「その分の広告予算を少し増やしてください」というコミュニケーションで決めていただきました。私にとっても林さんにとってもスムーズだったと思います。

popIn 吉岡真宏 氏

来訪者の95%が新規ユーザー

――「popIn Discovery」によるコンテンツマーケティングは期待通りの成果が出ていますか?

林ウェブマガジンなどで作成した記事コンテンツを活用し、「popIn Discovery」でネイティブアドへの広告出稿を展開しています。狙いはブランド認知の拡大、新規顧客の獲得です。「popIn Discovery」では期待通りの成果が出ています。「popIn Discovery」経由の来訪者の新規率は95%と非常に高く、費用感としてはCPC(クリック課金)ですので納得感があります。来訪ユーザーはコンバージョンにもつながっています。コンバージョン率(CVR)の改善には「popIn Action」が効いていると思います。

吉岡吉岡Google、Yahoo!、SNSなどのプラットフォームでは、ユーザー層をターゲティングした広告を出稿できますので、ニーズが顕在化しているユーザーの獲得には効果的です。反面、自分たちの想定している範囲のユーザーしか獲得できない側面もあります。「popIn Discovery」では新聞社や出版社など多種多様な900以上の媒体にネイティブアド(媒体のコンテンツに自然に溶け込む広告)を掲載できますので、潜在層へのリーチを獲得できます。例えばこれまで「UNDEFEATED」とは接点がなかったが、スニーカーに関心のあるユーザーの獲得が期待できます。

――運用で工夫している点はありますか?

林当社では広告を内製化しており、工数をかけずにクイックにPDCAを回しています。「popIn Discovery」は代理店など挟まず、ダイレクトに出稿できますので、さらにサイクルが早くなります。ABテストを実施して効果が高い方のクリエイティブに寄せていくといった取り組みも短いスパンでできますので、効果を高めやすいと思います。

画像検索経由のCVRは6倍

――「popIn Action」の成果はいかがですか?

林まず導入までがとても早かったです。こちらの工数はほぼなく、指定のタグを入れて、フィードを渡すだけでした。実装してみて見え方やUIも問題ありませんでした。「UNDEFEATED」では、画像検索経由のユーザーのセッションあたりのPV数は平均値の476%、滞在時間は平均値の458%、CVRが平均値の600%と高い成果を出すことができました。画像検索を使ったお客さまがよく回遊し、コンバージョンにつながりやすくなっています。

画像検索の結果、購入していただいているのが、オリジナル商品が多かったことも良いインパクトでした。オリジナル商品を優先表示しているわけではないのですが、ユーザーが画像で見比べていった結果、オリジナル商品が買われやすい傾向になっていました。

吉岡吉岡これだけ取扱商品数をお持ちだと、どうしても埋もれてしまう商品が出てきます。ランキングに入っていないオリジナル商品でも、セレクトアイテムと似ているアイテムが画像検索によってユーザーの目に触れ、掘り起こしにつながっているのだと思います。

――画像検索はどのようなシーンで活用されているのですか?

林SNSで見かけたアイテムをスクリーンショットで保存して検索したり、雑誌に掲載されている写真をスマホで撮影して検索したりする活用方法が多いと思いますが、当社ではリアル店舗のスタッフも接客に画像検索を活用しています。お客さまがお探しのアイテムを導き出したり、ECの商品データを活用して在庫を確認したりする際に活用しています。着用しているスニーカーをスマホで撮影して検索したり、店頭のアイテムを撮影して検索しています。リアル店舗の部署に画像検索の機能を周知し、OMO施策として全社的に取り組みが始まりました。スーパーバイザーや店長がスマホを用いた接客手法の1つとしてスタッフに共有しています。

吉岡吉岡お客さまも店舗スタッフさまも若い方が多いので、スマホを用いて接客することに抵抗はないと思います。店舗スタッフさまが一方的に「この商品がお薦めです」と接客するより、自然なコミュニケーションの中で、「イメージに近い商品を探します」とお客さまと一緒になってスマホで調べた方が、お客さまにとっても受け入れやすいと思います。「第三者の目線で似ているアイテムを店員が教えてくれた」という印象を与え、ポジティブなイメージを持って頂けるのではないかと思っています。

スタージョイナス 林大貴 氏(写真左)とpopIn 吉岡真宏 氏

類似アイテム検索もCVR5倍

――商品ページで閲覧している商品と似ている商品を検索できる「類似アイテム検索機能」の成果はいかがですか?

林「類似アイテム検索機能」も同じように高い成果を上げています。利用者のセッションあたりのPV数は平均値の307%になり、滞在時間は278%、CVRは507%と良い結果が出ています。広告経由などで来訪した新規ユーザーに効果を発揮できていると見ています。商品に興味を持って来訪したユーザーに、「他にもこんな商品がありますよ」と提案するように、ワンクリックで似たようなイメージの商品を紹介できる機能は、新規ユーザーの購入への後押しになっています。

AIによる商品レコメンド機能も入れていましたが、ブランド側が一方的に買ってほしい商品をお薦めしているように受け取られていたかもしれません。シンプルに、見ている商品と似ている商品を見つけて教えてくれる機能は、ユーザーファーストのサービスとして受け入れられやすいと思います。

吉岡吉岡「UNDEFEATED」などスタージョイナスさまの展開しているブランドは、多くのファンが付いていると思いますので、自力でお気に入りのアイテムを探したいという欲求があると思います。「類似アイテム検索機能」で商品を探す行為は、システマティックにお薦めアイテムを提示するレコメンドとは異なり、自分で見つけ出した感覚が強いと思います。

新たなマーケ手法も開発中

――今後、popInにさらに期待することはありますか?

林商品ページ以外にも「popIn Action」を導入できるということなので、今後相談していきたいです。「popIn Discovery」もさらにマーケティング効果が高まる機能拡張は大歓迎です。

吉岡吉岡「popIn Action」はスタッフコーディネートやウェブマガジンにも導入できます。ぜひ導入ページを増やし、さらに効果を高められるようにご相談できればと思います。「popIn Discovery」では、提携メディアとさらに踏み込んだ取り組みを展開する構想があります。提携メディアに「popIn Action」を導入し、そのメディアに掲載している画像と似ているアイテムを、広告主であるアパレルブランドのアイテムからピックアップして紹介するサービスを実現します。広告主からはCPCで広告費をいただく形は変えず、より送客効果の高いサービスを提供できると思います。メディア側にも新たな収益化のソリューションとして喜んでいただけると考えています。

<スタージョイナスの展開ブランド>

UNDEFEATED

FIGURE

IN THE HOUSE

BAIT

<popInの展開サービス>

popIn Action

popIn Discovery